「台日植物バイオスティミュラントシンポジウム」盛況裏に閉幕 両国の専門家が手を携え、持続可能な農業の新たな未来を描く

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「台日植物バイオスティミュラントシンポジウム」盛況裏に閉幕 両国の専門家が手を携え、持続可能な農業の新たな未来を描く

2025/09/19

台湾バイオスティミュラント学会が主催する「台日植物バイオスティミュラント製品の研究開発と普及の現況」シンポジウムが、912日(金)に正瀚国際会議ホールにて盛大に開催されました。本シンポジウムには、台湾と日本の産学研のエキスパートが一堂に会し、気候変動下における農業課題への解決策を模索しながら、両国におけるバイオスティミュラント分野の将来の協力に向けて確固たる基盤を築きました。

 

日本の専門家が法規制の最新動向を詳説

本シンポジウムでは、日本バイオスティミュラント協会代表の宇城正和博士を招き、「日本におけるバイオスティミュラントの研究開発と法規推進の現況」と題する基調講演が行われました。宇城博士は、日本における伝統的な農業知識と現代的なバイオスティミュラントの概念を融合させてきた過程を解説するとともに、20255月に農林水産省が公表した「バイオスティミュラント表示ガイドライン」のポイントを紹介し、日本市場の発展と規制の方向性について参加者に明確な理解を提供しました。

 

台湾の研究開発力を示す ナノカルシウムシリケートの活用が注目の的に

シンポジウムでは、ダイヤモンド・クォンタム の研究開発長である徐兆稹博士が「ナノカルシウムシリケート資材による作物のストレス耐性誘導事例」と題した発表を行いました。徐博士は複数の圃場試験の事例を通じて、ダイヤモンド・クォンタムのナノカルシウムシリケート製品が無機バイオスティミュラントとして植物の健全性を高め、干ばつ、高温、塩害、重金属毒性といったストレスに対する耐性を顕著に強化する様子を生き生きと紹介しました。この成果は、台湾のバイオテクノロジーの革新力を証明するとともに、農業者に対して具体的な持続可能な農業の解決策を提供するものです。

分野を超えた対話が新たな発想を喚起
基調講演に加え、正瀚バイオテクノロジー、台湾農業研究院植物研究所、成功大学など産学研の関係者も登壇し、国際的なバイオスティミュラントの法規制動向、作物の生理調節メカニズム、各種製品の特性や効果について共有しました。参加者は活発な意見交換を行い、実際の生産現場にバイオスティミュラントを応用することで収量向上、品質改善、環境負荷低減を同時に実現する方法を探求しました。

 

未来を見据えて 持続可能な農業へ共に歩む
今回のシンポジウムの成功は、台湾と日本の間におけるバイオスティミュラント分野の学術・技術交流を促進するだけでなく、将来的な国際協力に新たな道を開くものとなりました。参加者の多くは、知恵と協力を結集することで、台湾と日本がバイオスティミュラントの研究開発と普及においてより大きな影響力を発揮し、世界の食料安全保障と農業の持続可能な発展に貢献できると認識しました。

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